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防水設計のコストダウン戦略:効果的な防水性能を維持しつつコストを抑える方法

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防水設計のコストダウン戦略:効果的な防水性能を維持しつつコストを抑える方法

防水設計のコストダウン戦略:効果的な防水性能を発揮しつつコストを抑える方法

電子機器や産業機器の設計において、防水性能は製品の信頼性と耐久性を左右する重要な要素です。しかし、高度な防水性能を実現するには、当然ながら、コストがかかります。競争が激しい市場で生き残るためには、防水性能を発揮しながらコストを抑える戦略が不可欠です。本記事では、効果的な防水設計を実現しつつ、コストを最適化する方法について探ります。
 

防水設計の基本原則

防水設計を考える際、まずIP(Ingress Protection)規格を理解することが重要です。
IP規格は、外部からの固形物や液体の侵入に対する保護レベルを定義しています。例えば、IP67は粉塵の侵入を完全に防ぎ、1メートルの水深で30分間の浸水に耐えられることを意味します。

一般的な防水構造には、ガスケットやOリングによるシール、防水コーティング、ラビリンス構造などがあります。これらの基本を押さえた上で、コストダウンを図ることが大切です。
 

材料選択によるコストダウン

高性能かつ低コストな材料を選ぶことは、コストダウンの重要な戦略です。
例えば、ステンレス鋼の代わりに適切な表面処理を施したアルミニウムを使用することで、防食性を保ちつつコストを抑えられる可能性があります。
ただし、材料によって溶接性や加工性に影響するものもあり、一概に材料価格だけで決められる内容ではございませんので、ご要望に合わせて最適な方法をご提案いたします。
 

構造設計の最適化

シンプルな構造を採用し、部品点数を削減することは、コストダウンの効果的な方法です。例えば、複数のパーツを一体成形することで、組立工程を簡略化し、シール部分も減らすことができます。

また、組立工程の簡略化も重要です。スナップフィット構造を採用することで、ネジ止めの工程を省略し、組立時間とコストを削減できます。
 

シーリング技術の効率化

コスト効率の高いシーリング方法を選択することも重要です。例えば、液状ガスケットを使用することで、複雑な形状のシールを低コストで実現できる場合があります。

ただし、長期耐久性とコストのバランスを取ることが重要です。初期コストは高くても、長期的な信頼性が高い方法を選ぶことで、製品のライフサイクル全体でのコストを抑えられる場合もあります。
 

製造プロセスの改善

自動化による製造コストの削減は、大量生産時に特に効果的です。例えば、ロボットによる自動シール剤塗布を導入することで、人件費を削減し、品質のばらつきも抑えられます。

また、歩留まり向上のための設計改善も重要です。製造時のエラーが起きにくい設計を心がけることで、不良品の発生を抑え、全体的なコストを削減できます。
 

テスト・評価方法の最適化

効率的な防水テスト手法を導入することで、開発時間とコストを削減できます。例えば、非破壊検査技術を活用することで、テストサンプルの数を減らし、コストを抑えられます。
弊社では防水試験のほかに、簡易的なエアリーク試験も行っております。ご要望に応じて最適な検査方法をご提案いたします。
 

サプライチェーンの最適化

部品調達の効率化は、コストダウンの重要な要素です。複数のサプライヤーから見積もりを取り、最適な調達先を選定することが大切です。

また、在庫管理の改善も重要です。ジャストインタイム方式を導入することで、在庫コストを削減し、キャッシュフローを改善できます。
 

設計のモジュール化とプラットフォーム化

共通部品の活用は、コストダウンの効果的な方法です。複数の製品ラインで同じ防水パーツを使用することで、スケールメリットを追求できます。

また、基本設計をプラットフォーム化し、それをベースに各製品をカスタマイズすることで、開発コストと時間を大幅に削減できます。

ライフサイクルコストの考慮

メンテナンス性を考慮した設計は、長期的なコスト削減につながります。例えば、シール部分を容易に交換できる構造にすることで、製品の寿命を延ばし、顧客満足度も向上させられます。

また、修理・交換の容易さも重要です。モジュール化された設計を採用することで、故障部分のみを交換できるようになり、修理コストを抑えられます。
 

事例研究

成功事例の分析は、効果的なコストダウン戦略を学ぶ上で重要です。例えば、ある携帯電話メーカーは、防水構造を見直し、部品点数を30%削減することで、製造コストを大幅に削減しました。

一方、失敗から学ぶ教訓も大切です。コストダウンを優先するあまり防水性能が低下し、市場での評判を落とした事例もあります。バランスの取れたアプローチが重要です。

まとめ

防水設計のコストダウンは、単に安い材料や部品を使用するだけでは達成できません。材料選択、構造設計、製造プロセス、サプライチェーン管理など、多角的なアプローチが必要です。

また、コストダウンと性能のバランスを取ることが極めて重要です。短期的なコスト削減が長期的な品質問題につながらないよう、慎重に検討する必要があります。


最後に、コストダウンは一度で完了するものではありません。市場環境や技術の変化に応じて、継続的に改善を行っていくことが、競争力を維持する上で不可欠です。常に新しい技術や手法に注目し、柔軟に取り入れていく姿勢が重要です。

 

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