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電子機器開発において防水・防滴処理を考える

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電子機器開発において防水・防滴処理を考える

ここ数年、需要が高まっている電子機器開発における防水・防滴処理。 フジプリグループでも、ポルックステクノ株式会社(以下、ポルックステクノ)、フェイスでも防水・防滴を主目的に新規でのお問い合せをいただくケースが多いので、それぞれの担当者から保有技術やそれぞれの手法の特徴などを聞いてみました。

コーティング・ポッティングのエキスパート!フェイス

フェイスでは、実装済みの基板にコーティング剤を塗布しその内側を保護するコーティング技術と、大きな圧力がかかる様な環境下では樹脂などの液体を流し込み固めることで、基板を圧力や水滴などから守るポッティングという技術がございます。

iPhoneで有名になった「IP67」などの保護等級に応じた防水・防滴筐体の設計・製作のエキスパート!ポルックステクノ

ポルックステクノのルーツは精密板金であるため、電子機器の基板実装や組み立ても行っていますが、中でもIP等級に応じた電子機器筐体の設計・製作に関するご相談が多いです。スマートフォンだけではなく、ウェアラブル端末や、監視カメラなどの外部環境に常時設置することを前提とした電子機器が増えてきている背景が影響していると思います。

コーティング処理

  • 粉塵が舞うような環境下
  • 塩害が想定されるような場所

ポッティング処理

  • 水中環境下
  • 土壌内への埋め込み
  • 工作機械内部等切削油の付着が懸念されるような場所

※小型で防水筐体より安価

筐体での防滴・防水

  • 雨曝しの屋外に設置する場合
  • 水や粉塵が飛散する環境
  • 災害時の洪水などが想定される場所
  • 一時的に水が浸かる恐れのある場所
  • 機器全体を防水・防滴したい場合

※大型のものでもOK、基板取り外し可能

コーティング処理とは?

基板全体を樹脂で覆うことで基板を保護する方法

シリコンコーティング

より膜厚を確保する為には
→シリコンコーティング

メリット
  • 防湿性に優れている
  • 外部からの腐食から基板を守る
  • 粉塵が多い現場で使用
どのような所で使用されているか
  • 汚れが多い環境
  • 高湿度の過酷な環境

フッ素コーティング

水を弾く必要がある際には
→フッ素コーティング

メリット

  • 水滴・湿気を遮断する
     
     

どのような所で使用されているか

  • 車載・電子精密機器・モバイル機器・工学製品
     

【懸念事項】

・マスキング処理の時間を要すること
・コネクタの種類や位置を確認することが大事

ポッティング処理とは?

ケースに基板を組み込み樹脂を流し込むことで封止する方法

シリコンポッティング

振動が発生するような場所には
→シリコン系の柔らかい樹脂選定

メリット
  • 深部硬化性があり加熱硬化も可能
  • 振動に強い
どのような所で使用されているか
  • 高圧環境
  • 振動環境が想定される場所

エポキシポッティング

耐油性、水中環境下では
→エポキシ系の堅い樹脂選定

メリット
  • 粘度が高い
  • 硬度があるので様々な環境で使用可能

どのような所で使用されているか

  • 水の中で使用可能
  • 土の中で使用可能
  • 海水で使用可能

【懸念事項】

・筐体上部より樹脂を流し込むためケースが必要
・ケースの構造検討段階からポッティングの作業性を意識した形状にすることが大事

フェイス株式会社のお問い合せはこちら

お問い合わせフォームへ

防滴・防水筐体とは?

外部からの水滴・水の流入を防ぐ筐体。いくつかのグレードによって区分される。

IP54・55標準防滴筐体

屋外設置を検討するのであれば
→IP54・55標準防滴筐体

IPX4防滴試験の様子

メリット

  • 比較的簡単な設計で水滴の流入を防ぐ
  • 機器全体を内部に入れることで一度に防滴が可能
  • 防水筐体に比べ安価に製造が可能

どのような所で使用されているか

  • 屋外設置(自動販売機などと同じIPグレード)
  • 水滴や油などの飛散が想定される現場
     

IP67標準防水筐体

完全な防水が必要な場合は
→IP67標準防水筐体

IP67用試験水槽

メリット
  • 外部からの水の流入を完全に防ぐ
  • 水中に入れても水が流入しない
  • 防水筐体に比べ堅牢な構造
どのような所で使用されているか
  • 水に浸かることが想定される環境
  • 水深が浅い場所で一時的に使用する場合
     

【懸念事項】

・従来の筐体に比べると倍以上高価になる。
・通常の筐体設計ではなく、防滴・防水・防塵専用の設計が必要
・また、IPグレードに応じて設計・製造金額も上昇するため、適正なIPグレードの検討が必要

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